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functional GPA

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本学では学士課程および大学院博士課程の全学生のみなさんの学修成果を厳格・厳正に評価し、それを的確にあらわす成績指標としてGPA(Grade Point Average)を用いています。
ただし、一般によく用いられているGPA指標はS,A,B,C,Dのレターグレードを4,3,2,1,0のような数値に置き換えています。そのため、レターグレード評価のもとになっている原成績の細かな差異が丸められて消えてしまいます。そのため、たとえばGPAの順位が原成績の順位と違ってしまうという不都合が発生します。

そこで本学では、そうした不都合が起きないよう、原成績を線形に変換して直接グレードポイントを算定するファンクショナルGPAの算法によりGPA指標を定めています。
これにより、学生のみなさんの学修成果のチェック、それをもとにした学修計画の立案はもとより、奨学金貸与や報奨などさまざまな選抜機会にも安心してGPA指標を利用することができています。

functionalGPAとは

●原成績からファンクショナル・グレード・ポイントへの変換
各授業科目において定められるグレード評価(S、A、B……)の背後にはその等級分けの根拠になっている原成績の素点があります。これは科目によって100点満点であったり、5点満点であったり、990点満点であったり、さまざまです。
各授業科目でどのような幅の評価尺度を用いているにせよ、それぞれに満点と合格最低点(最低到達目標点)を決めています。そこで本学のGPA制度では、これをわかりやすく100点満点、合格最低点60点という日本の多くの大学で成績評定に用いている標準的な評定尺度に一次変換したのち、その評点をつぎの式で再び一次変換した値を各科目のグレードポイント(GP)としています。このGPをファンクショナル・グレード・ポイントと呼びますが、以下では単にGPと記します。

GP = ( 100点満点の[or に変換した]成績素点 - 55 ) / 10 ……(1)
(ただしGP < 0.5はGP=0.0とする)
GPAは履修した各科目のGPに、その授業科目の単位数を乗じた値の合計値を履修総単位数で除した値になります。すなわち、
GPA =(GP × 当該科目の単位数)の総和 / 履修総単位数 ……(2)
科目によっては素点評価ではなく、レターグレードのみで評定する場合もあります。その場合は次のルールによって素点におきかえ、そののち上の(1)(2)の手順でGPとGPAを算定します。
S = 95、A = 85、B = 75、C = 65、D = 55(不合格)
大学院でのレターグレードにはSがありませんので、次のルールになります。
A = 90、B = 75、C = 65、D = 55(不合格)


●上記(1)の式を使ってGPを求めるのは、なぜですか
最も重要な点です。成績のグレード評価は一定の点数区間(「級(クラス)」)を表すもので「点」ではありません。この区間に数値を当てることで点とみなし、単位数をかけたり、合計して割ったりすると、獲得した原成績の評定は上がったり、下がったり変動してしまいます。
簡単にいえば、各グレードの区間内で高い点をとった人ほど点数が下がり、低い点をとった人ほど点数が上がります。異なるグレード間の境界付近で事実としてあった近い関係は、隔たった関係に変化してしまいます。また、最も高いグレードではパーフェクトなパフォーマンスに意味がなくなり、たとえば90点をとれば100点をとったことと同等になってしまいます。こうした偶然性に満ちた得失によって累積するGPAの成績順位は予測不能なかたちで原成績の構造を乱します。

これではせっかく厳格、厳正な成績評価という方針(この方針は20年ほど前の大学審議会のもとで提起され、その後の中教審答申でも繰り返し大学の課題とされています)のもとでGPA制度を取り入れても、かえって信頼性のない成績を出すことになってしまいます。何より学生のみなさんの学修に対する意欲を損なうことになってしまうでしょう。

そこで本学では先の(1)式を用いて原成績素点を一次変換することで、みなさんが獲得した実際の成績をリニアにグレードポイントに置き換え、しかも従前からのGPAの全体体系に適った値(すなわち他大学で算定されているGPAの値と十分に互換性がとれている値)を出す方法を採りました。これにより、GPAにもとづく成績順位は原成績での順位と完全に一致し、GPAを指標にしてこれをさまざまに活用していくことが可能になります。これを「十全に機能できるGPA」という意味で、functional GPA(略記 fGPA)と呼びます。


●strict GPAとgeneral GPA
上記(1)式で算定する functional GPAは、より適切にはfunctional strict GPAと呼びます。
すでに述べたように、このf-strict GPAは現在、多くの大学で採用されているGPAと実用上、十分な互換性をもっていることが検証済みです。しかし、その最高点をみると、とくに米国とわが国の多くの大学においてはGPA4.0であるのに対して、strict GPAでは最高点が4.5になります。これを(実際にはそうではないのですが)かさ上げのように受け取られる懸念があります。そこで他ケースとの通用性に鑑みて対外的に用いるGPAとしてはstrict GPが4.0以上の値を一律4.0にしたfunctional general GPAと呼ぶ指標も併用し、成績表や成績証明にはその趣旨説明とともに両GPAを併記しています。同時にf-general GPAでは1.0未満0.5以上の値も通用性の点で一律1.0にしています。
むろん、このf-general GPAについても4.0未満、1.0よりも大きい値については原成績を忠実に反映した値になっています。学内でGPAを指標にして種々の用途に機能させる場合はstrict GPAを用います。→fGPAの算定例示


   
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